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スタ学であそぶ中の人のログ つまり なかろぐ
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舞をしつつも、体をめぐって対話を続ける真雪童子と謎の憑物。
その話を今日出しましたが、思いっきりシリアス。すみません。
ええと続けにくかったらほっといてくれればなんとかまた書き込んでまとめます故。。。

あるいはこちらでこそこそ打ち合わせでも。こそこそ。

以下はものっ凄く長い分。
考えないと、どこまでも長く書く悪い癖…

(【気に食わん】
 
三六が舞台で奮闘しているそば、人形の内なる声がはっきりと怒気を伴って響く。

『なにがじゃ』
 
【そこな下手糞の舞、気に食わん】
 
『三六殿か。始めてみる舞にこれだけついてきて、えらいと思うがの』
 
【下手は下手だ 見ていて いらいらせんか】
 
『誰でも最初は下手なものじゃ。…お主、よもや生前もそのような事を周りに言っていたのかの?』
 
【当たり前だ 本当の事を言って何が悪い】
 
『…それで伸びる者もいるであろう。が、正直聞いていて良い気持ちはせんな。』
 
【己の分を知らぬからだ 高慢にも舞を真似して舞台を壊す 何故その様な無様な真似が出来る】
 
『必死じゃ』
 
【何がだ】
 
『三六殿は必死なのじゃ。我と我が主人を助けようと。三六殿だけではない。そこな三線を演じる男も、かがり火をともした男も皆。
…ありがたいことじゃ。かように人を思う方が近くにおるという事は。』
 
【我が身体を奪うだけではないか 何が助けだ】
 
『…お主いい加減にせい。ただ単に人形に篭った人の霊の癖して、人形のふりをするな!』
 
【我こそがこの人形を作った 故に宿って人形の思いをかなえるだけじゃ】
 
『人形は人の鏡。いかようにも人を写す。しかし人ではない。』
 
【何を抜かすか おぬしも人形の癖に 知った口をきくな】
 
『人形でもない、人でもないと抜かすおぬしには言われとうないわ。』
 
【黙れ人形 私は姿こそ人形だが-】
 
『人でもない。おぬしはとうに去らねばならぬ者じゃ。とっとと消えうせい』
 
【この舞への思い 断ち切れぬまま昇れというのか!】
 
内なる声の怒気に内心ため息をつく。
ややあって、真雪は静かに切り出した。

『…人形を姿しか見ておらぬ。演じるものの魂の器として見ず、自らの怨念に任せてのりうつる。だから御主は生前に恵まれなかったのじゃ。』
 
【… なんだと】
 
『演じる者がいて、観る者がいる。人形はその間にあって、演じるものの気迫を映す。観る者はそこに自らの目をやる。演じるものの心を観る。
…おぬしの人形は見た目こそ美しい。
しかし、それだけじゃ。演じ手の魂を映すことを、拒絶しておる。』
『それが、恵まれなかった理由じゃ』
 
【…】
 
『それ、見てみい、三六殿は大分上達しているぞ。…あの動きでは明日身体を痛めるやも知れんがの!
実に集中しておる。あっぱれじゃ』
三六は動きこそぎこちないものの、何かこつを掴んだのか、先ほどよりは
うまく動きについてきている。
真雪のなかのもう一つの気配が、静かに身じろぎ、口を開けた
 
【演じ手の心をうつすなど 師匠が 教えてくれなかった】
 
『…作り手の師匠か』
 
【そうだ。私を一番弟子と可愛がってくれていたのに、ある日海へ行って、そのまま戻らなかった。私に何か大切なことを教えると約束していた日の、前日に。しかも翌々日には大きな披露目の舞台があったのだ。師匠ないまま演じ手として出演して私は、こき下ろされた。人形のせいで台無しだと。必死でつとめたというのに!
何故だ。教えるのをためらうほどの秘術だったのか。私の才能が憎かったのか。】
 
『人それぞれ事情があるだろうて。それにお主は、才能も何も、ただ単に手先が人より倍、器用なだけじゃ。』

 
【何故だ 賢翔(けんしょう)殿】
 


暗い、果てしなく暗い淵から響く声。
教えられなかった何かのせいに、師匠のせいにして、さっぱり自らを省みないこの霊にいささか呆れていた真雪だが、その名前を聞いてぴたりと舞いが止まった。
『お主今なんと言った』
 
【…】
 
『それは我が製作者ぞ』
 
【…なに?】
 
『そうか、お主なにもしらなんだな。
我がご主人はある日、海で岩場をくぐった拍子に異世界に流されたのじゃ。
そのとき偶然お供をしていたのが我、真雪。 その頃は名前が違うがの。』
 
【…海で異なる世界にだと】
 
『そのとき、ご主人は上機嫌じゃった。自慢の弟子がいよいよ、初舞台なのだと。
…お主か、清翔(せいしょう)』
 
【!?】
 
『あの日、ご主人はおぬしの舞台の話を取り付けて、その舞台の無事と成功を祈願しに海へ行ったのじゃ。…そうか。何も教えられず舞台に上がったか。……さぞかし心細かったであろう……すまぬ』
真雪は遠い昔の出来事を思い出し、こんなこともあるものか、と俯いてため息をついた。
 
【…いまさら
いまさら…どうにも ならぬではないか】
気配が震える。体があれば、その身体も震えていたように。
 
【私は、どうすれば、いい】

 
どうやら人形に留まった霊は、目標を失ったようだ。
その心まではすべて図ることは出来ない。が、空ろに声が響いた。

何故一緒にいてくれなかったのですか
賢翔様

足は止まったまま、つと顔を上げて、ミューシャのほうを見る。
『我には主人がおる。賢翔が曾孫、ミューシャじゃ。
我はご主人のためにある。故にご主人の元に戻る。
…いかがなされるか。清翔殿。』)


…童子?

(こちらを見たままぴたりと動きをとめた童子に、ミューシャが笛を口から離し、静かに立ち上がって歩み寄っていく。童子の前で立ち止まったその長身の龍人に、人形は大きな扇を手渡した。それを受け取ったミューシャは、たちどころに対話の一部始終を伝え聞き、目を見開いた。)

童子。
童子の言うことももっともですが…
今ここで清翔様を祓ってしまうのは、いたたまれません。

(とりあえずそこで皆に向かって振り返り、事の一部始終を伝えた。真雪はその間も沈黙を保ち、じっとしている。主に真雪が、ほうけているもう一つの気配をどうしようか、考えているようだが。)



===============
ここまで書くのに30分ほど。
むしろそのあと、短くする方法に悩みました…。
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無題
これでも1/3にした。
こまったもんだ。
URL 2008/09/17(Wed)19:23:56 編集
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